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人身傷害保険を使う場合の慰謝料

  • 文責:所長 弁護士 鳥光翼
  • 最終更新日:2024年4月4日

1 人身傷害保険とは

交通事故でケガをした場合、治療をして治る、もしくは後遺障害が残って損害の賠償をしてもらうのは、通常は、相手方加入の保険会社です。

一方、人身傷害保険は、事故に遭った場合に自身の過失の有無にかかわらず保険金を受け取れるという保険で、単独事故の場合や、自身に過失がある場合などにも利用できます。

人身傷害保険のみを使う場合には、ノーカウント事故として、保険料はあがりません。

2 人身傷害保険を使った場合の慰謝料

⑴ 金額は約款に規定されていて交渉不可能

後遺障害慰謝料については、後遺障害等級に応じて、各保険会社の約款に規定されています。

これは、弁護士が入って交渉しても金額が増えたりすることはありません。

人身傷害保険金は、約款に基づいて算出され、交渉によって増減する相手方任意保険会社から受け取る損害賠償金とは性質が異なるからです。

⑵ 人身傷害基準の金額は訴訟基準よりも低額

被害者の過失が0%である場合には、人身傷害保険金をもらうより、相手方から損害賠償金の支払いを受けた方が、多い金額を受け取ることができます。

通常、人身傷害保険の基準は、対人賠償基準よりも低額であるからです。

しかし、相手方が無保険車の場合や、被害者側も過失が大きい場合には、相手方から賠償金も十分な金額をもらえないこととなるため、このような場合には、人身傷害保険を使うメリットが顕著となります。

3 人身傷害保険を使った場合の具体例

⑴ 対人賠償を先に請求する場合

例えば、損害額合計が1000万円で、被害者の過失が40%であった場合、相手方には、相手方の過失分しか請求できないため、1000万円×60%=600万円しか請求できません。

そのあとに、人身傷害保険金を請求すると、人身傷害保険金が700万円とされた場合、すでに相手方から600万円の賠償を受けたということで、人身傷害保険金としては、700万円-600万円=100万円しか受け取れないことがあります。

⑵ 人身傷害を先に先行する場合

先に人身傷害保険金700万円をもらえた場合、訴訟差額基準説を前提とする場合、さらに相手方には1000万円-700万円=300万円の請求ができることになります。

そうすると、人身傷害保険金700万円+対人賠償300万円=1000万円受け取ることができます。

つまり、自分の過失40%分が人身傷害保険でカバーされたことになります。

⑶ 人身傷害保険金請求の先後で差がないような運用

人身傷害保険金の請求を先にするか後にするかの違いで、被害者の方の受取金額に差異が生じることがないように約款が規定されていることもあります。

4 ご相談は当法人まで

当法人は交通事故案件を数多く解決してきた実績があります。

交通事故を得意とする弁護士がご相談を承り、迅速かつ適切な事案解決に向けて尽力いたしますので、人身傷害保険金のご相談は当法人までお気軽にご連絡ください。

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