過払い金(企業の方)
過払い金返還請求の概要
1 まずは過払い金の有無を調べます
過払い金は、ひとことでいえば、法律で定められた上限を超えて支払ってしまった(払い過ぎた)お金です。
詳しく説明しますと、利息制限法で制限された利率を超えた利率で借入れ、返済をした場合、利息制限法で制限された利率内であれば借入金の返済は終わっていたはずなのに、返済を続けていたために払いすぎた金銭のことです。
過払い金の有無の調べ方は、次の通りです。
まず、貸金業者等から取引履歴という書類を取得します。
取引履歴には、借入額、返済額、その返済額のうちの利息の金額が時系列で記載されています。
そして、利息制限法で制限された利率を超えた利率での借入と返済がある場合には、引き直し計算を行うことで過払い金の金額を算定できます。
2 過払い金がある場合は過払い金返還の交渉を行います
引き直し計算をして過払い金の金額の算定ができたら、貸金業者等に対し、書面等で過払い金の返還を求めます。
過払い金は、法律用語では不当利得返還請求権という権利に基づき、支払いを要求します。
不当利得返還請求権に基づく金銭の請求については、民法所定の利息も請求できますので、併せて支払請求をします。
一般的には、過払い金の返還請求から数日~数週間程度で、貸金業者等から何らかの回答がなされます。
争点(過払い金を返還しない法的な理由)がない場合には、「過払い金の元金の〇割であれば数か月以内に支払う」といった内容の提案がなされることが一般的です。
貸金業者等からの提案内容に同意できる場合には、提案された条件で和解契約を締結し、支払期限までに支払いを受けて終了となります。
貸金業者等からの提案内容に納得できない場合、よりよい条件を求めて再交渉をするか、訴訟を提起します。
3 最終的には過払い金返還請求の訴訟を提起する
貸金業者等との間での交渉が決裂してしまった場合には、訴訟を提起します。
また、過払い金返還請求権の消滅時効が近い場合には、消滅時効が完成してしまうことを回避するために訴訟を提起することがあります。
訴訟を提起した場合、判決に至るまでには半年~1年程度の期間を要することが多いです。
訴訟を提起した後でも、期日と並行して訴訟外で交渉を続け、訴訟提起前の提案よりも良い条件での提案がなされて和解した場合には、訴訟を取下げるということもあります。