自己破産をするとパソコンなどの財産もなくなりますか?
1 自己破産をする場合、なくなる財産とそうでない財産がある
自己破産は、原則としては、債務者の方が保有している財産を売却換価し、その売却金を債権者への支払いに充て、返済しきれない部分については免責を得るという手続きです。
もっとも、債務者の方の持っているすべての財産を完全になくしてしまったら、自己破産手続き後の生活を営むことができなくなり、破産制度の趣旨のひとつである経済的更正を果たすことも困難になってしまいます。
そこで、自己破産をしても、残すことができる財産が定められています。
以下、具体的に説明します。
2 自己破産手続きにおいて換価処分されない財産
まず、破産法、民事執行法において定められている差押禁止財産については、自己破産手続きにおいて換価処分されません。
差押禁止財産の中には、仕事に欠くことができない器具・産物等、債務者等の学校その他の教育施設における学習に必要な書類及び器具というものが含まれます。
債務者の方の保有しているパソコンなどが、これらに該当する場合には、自己破産をしてもなくなることはありません。
また、自己破産の実務上、裁判所によって資産価値が低いと考えられるものについては、換価処分の対象にしないという運用がなされています。
裁判所によってある程度異なりますが、一般的には評価額が20万円以下の財産であれば、換価処分の対象にされないことが多いといえます。
そのため、パソコンなどの評価額が20万円を下回っていれば、換価処分の対象にはならないと考えられます。
なお、購入時に20万円を下回っているものであれば、通常そもそも換価処分の対象にならないといえますが、購入してから時間が経過して使い古されている場合には評価額が下がると考えられますので、自己破産申し立て時の評価額を検討することが大切です。
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