ギャンブルによる借金でも自己破産できますか?
1 ギャンブルによる借金でも自己破産ができる可能性はある
結論から申し上げますと、ギャンブルによって借金を作ってしまった場合、原則としては自己破産(免責)は認められないと規定されていますが、諸々の事情を勘案し、裁量によって免責が認められることも多いです。
以下、詳しく説明します。
2 免責不許可事由
自己破産に関する法律においては、主な債務の形成理由がギャンブルであった場合には、債務の返済義務が免除されないとされています(免責不許可事由)。
ギャンブルによる借金は遊興のためであり、生活や事業のためにやむを得ずした借金とは異なるためです。
3 裁量免責
もっとも、ギャンブルによって借金を作ってしまったとしても、しっかりと反省したうえで具体的な再発防止策を講じていることを裁判所に示すことで、裁判所が裁量によって免責を許可することはあります。
例えば、ギャンブル依存症の傾向がある方であれば、専門医に相談し、ギャンブル依存症の治療プログラムを受けていることなどを書面でもって示すということがあります。
また、綿密な家計表を毎月作成し、これを提示することで、ギャンブルに限らず浪費をしていないことや、収支の管理をしっかりと行っていることを示すということもあります。
4 ギャンブルによる借金が多い場合には管財事件になる可能性がある
主な債務の形成理由がギャンブルである場合には、債務者の方に換価可能な財産がほぼない場合であっても、管財事件になる可能性があります。
管財人が、債務者の方の財産状況を改めて調査し、どの程度の金額をギャンブルにつぎ込んだかを算定したり、債務者の方と面談を行うなどして具体的な再発防止策を聞き取り、免責許可によって経済的更生を図ることができるかを検討します。
そのため、ギャンブルによって借金を作ってしまった場合には、管財事件になる可能性があることをあらかじめ想定し、裁判所に自己破産の申し立てをする前に予納金を準備しておく必要があります。
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