自己破産したら、海外旅行に行けなくなりますか？

自己破産を申し立てた場合、同時破産事件でない場合、免責許可決定がなされるまでの間、海外旅行を含め居住地を離れることについては制限を受けることになります。

自己破産申し立ての準備段階や、免責許可決定確定後には制限はないため、海外旅行に行くことはできます。

以下、それぞれについて詳しく説明します。

自己破産を申立てると、債務者の方の財産の状況や債務を負った事情等に基づいて、裁判所の判断により同時廃止事件と管財事件とに振り分けられます。

管財事件になった場合には、長期間居住地を離れることについて制限が加わります。

長期間居住地を離れる場合、破産管財人の同意や、裁判所による許可が必要となります。

管財事件の場合、管財人や裁判所により、債務者の方の財産や、返済不能に陥った経緯等を詳しく調べる必要があることから、随時管財人、裁判所と連絡を取れるようにするため、居住地を離れることに制限がなされるのです。

状況によっては、海外旅行に行くことができないということもあります。

同時廃止事件になった場合には、居住地を離れることについての制限はありません。

ただし、同時廃止事件であっても、裁判所から財産の状況や債務を負った経緯についての質問等がなされることがあります。

この質問等に対しては、一定の期間内に回答をする必要がありますので、随時連絡を取れる状態にしておく必要があります。

自己破産の申立ての準備をしている段階と、免責許可決定確定後は、移動の制限はないので、海外旅行をすることができます。

ただし、代理人に自己破産を依頼している場合には、海外にいく予定が生じたときには代理人にその旨を伝えておきましょう。

自己破産の準備の段階においては、債務者の方の家計の状況や資産の管理が必要であることに加え、随時資料のご提供をいただく必要が生じるためです。

海外にいて、これらの作業ができない期間がある場合には、そのことをあらかじめ伝えておけば、計画的な資料収集、作成ができるようになります。