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相手が遺留分侵害額請求に応じてくれない場合の対処法

  • 文責:所長 弁護士 鳥光翼
  • 最終更新日:2024年3月8日

1 遺留分侵害額請求に応じてもらえない場合の流れ

遺留分を侵害している遺言が存在する場合には、遺留分を侵害している受遺者等に対し、遺留分侵害額請求を行うことができます。

このとき、遺留分を侵害している受遺者等に対し、単に支払うよう連絡をしただけでは、応答をしてもらえない可能性もあります。

そこでまず、遺留分侵害額請求権が時効によって消滅することを防ぐため、内容証明郵便によって、請求の意思表示をするとともに、改めて話し合い(交渉)をしたい旨の連絡をします。

それでも応じない場合や、話し合いがまとまらない場合には、遺留分侵害額請求調停の申立て、遺留分侵害額請求訴訟の提起という順で進めることになります。

以下、それぞれの段階について詳しく説明します。

2 改めて話し合いを申し入れる

遺留分侵害額請求権は、相続開始と遺留分の侵害を知ったときから1年で、時効により消滅します。

また、相続開始の時から10年を経過したときも消滅します。

そのため、遺留分侵害額請求の意思表示をしたことを、後日客観的に証明できるようにするため、内容証明郵便で遺留分侵害額請求の意思表示をするとともに、改めて話し合いの申入れをします。

その際、相手が話し合いに応じてくれない場合には、調停申立てや訴訟提起を検討する旨も伝えると、話し合いに応じてもらえる可能性が高まることもあります。

3 遺留分侵害額請求調停の申立て

内容証明郵便で話し合いを申し入れても応答してもらえなかったり、支払額等についての話し合いがまとまらず解決しない場合、遺留分侵害額の支払いを求める調停を家庭裁判所に申し立てます。

調停は家庭裁判所で行われますが、あくまでも家庭裁判所を介した話し合いです。

調停の結果、遺留分侵害額等について合意に達することができた場合には、合意内容に従って支払いを受けることで解決します。

参考リンク:裁判所・遺留分侵害額の請求調停

4 遺留分侵害額請求訴訟の提起

調停でも合意に達することができない場合、民事訴訟を提起し、遺留分侵害額請求を行います。

遺留分侵害額請求訴訟は、調停とは異なり話し合いではありませんので、民事訴訟のルールに従って手続きが進められます。

もっとも、実務上は、訴訟提起後も、訴訟外で交渉が進められ、合意に達することもあります。

この場合、判決に至る前に訴訟を取下げることもあります。

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