おまとめローンを利用した場合でも、過払い金返還請求できますか?
1 おまとめローンと過払い金返還請求
おまとめローンは、複数の貸金業者等からの借金を、1社の金融機関等に借り換えて、借金を一本化するというものです。
おまとめローンを利用すると、一旦それまで借入れをしていた消費者金融やクレジットカード会社の残債務を完済するというプロセスを経ます。
別の観点からみると、おまとめローンを利用して完済するまでの間は、元の貸金業者から借り入れと返済を行っていたことになります。
そのため、おまとめローンを利用しても、過払い金返還請求ができることはあります。
一般的には、平成18年以前に消費者金融やクレジットカード会社に借入れをしていた場合、過払い金が発生している可能性があります。
おまとめローンを利用する前までに借入れと返済を繰り返していた消費者金融やクレジットカード会社との契約において、利息制限法の上限以上の利率が設定されていて、当該消費者金融やクレジットカード会社に対する過払い金が発生していれば、過払い金請求を行うことができます。
おまとめローンを利用する前に借り入れていた消費者金融やクレジットカード会社がわかる場合には、その消費者金融やクレジットカード会社から取引履歴を取得し、引き直し計算をすることで、過払い金の有無や金額を確認することができます。
なお、おまとめローン自体は、利息制限法の上限以下の利率を設定していますので、おまとめローン利用後の返済については過払い金が発生することは少ないと考えられます。
2 過払い金返還請求権の消滅時効に注意
おまとめローンを利用した場合、過払い金返還請求との関係においては、消滅時効の完成に注意する必要があります。
過払い金の返還を請求できる権利は、専門用語では不当利得返還請求権というものであり、最後の取引時点から消滅時効が進行します。
おまとめローンを利用すると、一旦それまで借入れをしていた消費者金融やクレジットカード会社の残債務を完済することになります。
そして、過払い金返還請求ができる権利は、おまとめローンを利用して完済した日から10年間で消滅時効が完成してしまいます。
そのため、おまとめローンを利用し、完済した日から10年以内に過払い金返還請求を行う必要があります。
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