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障害年金と生活保護の違い

  • 文責:所長 弁護士 鳥光翼
  • 最終更新日:2025年5月20日

1 支給要件の違い

障害年金は、①初診日の要件②障害認定日の要件③保険料納付の要件の3つの要件をすべて満たしている方が、病気やケガによって日常生活や仕事が制限されて、障害認定基準で定められた程度に達しているときに受け取ることのできる年金です。

一方、生活保護は、生活が困窮している国民に対して国が必要な保護を行い「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するとともに、自立を助長することを目的として支給される金銭です。

生活保護は、原則として、世帯全員が利用できる資産や能力その他を活用しても保護基準に基づいて計算した月の最低生活費を下回る場合に、申請に基づいて不足している金額が支給されます。

別の制度や親族からの援助が受けられれば生活保護に優先されます。

障害年金は初診日までにきちんと年金を納めて要件を満たしていれば、原則として経済状況にかかわらず日本年金機構から支給されます。

生活保護は国の税金から生活保護が支払われますので、保護世帯の資産状況や労働能力について確認が行われ、生活保護費の用途にも一定の制限があります。

2 障害年金と生活保護の併用

生活保護を受けている方でも、障害年金を請求することができます。

生活保護は、他の制度等による支援を受けてもなお不足する金額についてのみ生活保護費を受け取ることできるものですので、障害年金を受け取れるのであれば申請して受け取ることが原則です。

生活保護受給中にケースワーカーなどから障害年金を申請するように指導されることもあります。

生活保護では障害年金も収入とみなされますので、生活保護費が障害年金額を上回る場合には、支給される障害年金は生活保護から減額されることになりますし、下回る場合は生活保護を受給できなくなります。

併用したとしても障害年金と生活保護費から障害年金分を差し引いた金額を受け取ることになり、受け取る金額が変わらないようにも思えますが、一定のメリットがあります。

3 障害年金申請のメリット

障害年金1級または2級を受け取ることができるときには、生活保護に障害者加算を受け取ることができます。

生活保護の障害者加算を受けられるのであれば、受け取れる生活保護費の総額が障害者加算分だけ高くなり、障害年金を受け取る場合の実質的なメリットになります。

また、生活保護には様々な制約がありますが、障害年金であれば使い道が自由ですので、使い道の報告をしなくてもよくなります。

さらに、障害状態が回復して徐々に就労を開始して収入ができたり、相続などで財産を得た場合には、生活保護は支給額を減額したり停止したりしますが、障害年金であれば原則として減額されません。

また、障害年金は時効になっていない期間の遡及請求が可能ですので、生活保護を受けている期間と重なっていない期間の障害年金については、遡って受け取ることができます。

障害年金の遡及請求が認められたことによって、遡及でのまとまった支給金と2か月毎の障害年金でうまく生活をたてなおし、生活保護を短期間で終了した方もいらっしゃいます。

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