船橋で弁護士をお探しなら【弁護士法人心 船橋法律事務所】まで

弁護士法人心 船橋法律事務所

不倫慰謝料を配偶者と不倫相手の両方から二重に受け取ることはできるか

  • 文責:所長 弁護士 鳥光翼
  • 最終更新日:2025年5月20日

1 不倫慰謝料を二重に受け取ることはできない

不倫慰謝料は、不倫をした配偶者と不倫相手の両方に請求することはできます。

しかし、二人が支払った合計額が不倫慰謝料の金額に達したら、それ以上請求することはできません。

専門的な表現をすれば、不貞行為は、不倫をした配偶者と不倫相手による共同不法行為であるため、両名はいずれも不倫慰謝料全額を支払う義務を負います。

不貞行為によって被った精神的な損害は一つですので、両名が支払った金額の合計額が不倫慰謝料の金額に達すると、それ以上の支払いを求めることができなくなります。

また、不倫をした2人の間においては、責任割合が存在します。

片方の加害者が自身の責任割合を超える慰謝料を支払うと、もう一方の加害者に対して、責任割合を超えて支払った分を請求することができます。

専門的には、求償権の行使と呼ばれます。

以下、不倫慰謝料が発生する仕組み、および加害者における求償権の行使について説明します。

2 不倫慰謝料が発生する仕組み

法律上は、不倫慰謝料の請求とは、不法行為に基づく損害賠償金の請求です。

不貞行為(不倫をした配偶者と不倫相手との間の性的関係)によって、不倫をされた配偶者が持つ平穏な夫婦生活を送る権利が侵害されたことに対する賠償金の請求となります。

不貞行為は、不倫をした配偶者と不倫相手の2人が一緒に行うことで成立するものです。

このようなものは、共同不法行為となります。

民法第719条によれば、共同不法行為をした者は、「各自が連帯してその損害を賠償する責任を負」うとされています。

共同不法行為をした加害者は、どちらも被害者(不倫をされた側の配偶者)に対し、不倫慰謝料全額を支払う義務を負います。

どちらかの加害者が慰謝料の全部または一部を支払った場合、その分もう一方の加害者が被害者に対して慰謝料を支払う義務がなくなります。

この仕組みにより、不倫慰謝料の二重取りはできないことになります。

3 加害者における求償権の行使

共同不法行為にはもうひとつの特徴があります。

加害者同士においては、それぞれの過失の度合いや損害発生への寄与の割合などによって、負担する割合が存在します。

不倫慰謝料の請求の場合には、不倫をした者それぞれの負担割合は、半々(50:50)とされることが多いです。

不倫慰謝料が100万円で、負担割合が50:50である場合には、加害者はそれぞれ50万円ずつ負担することになります。

もし不倫相手が不倫をされた配偶者に100万円を支払うと、不倫相手から不倫をした配偶者に50万円を支払うよう求めることができます。

これを求償権の行使といいます。

  • 電話法律相談へ
  • 選ばれる理由へ
  • 業務内容へ

弁護士紹介へ

スタッフ紹介へ